特設モニターの前でスマホのカメラを手に打ち上げの瞬間を待つギャラリー(印南SAで)

 串本町の小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」で9日に予定されていた小型個体燃料ロケット「カイロス」初号機の打ち上げは、発射予定時刻を過ぎても打ち上げられず、宇宙事業会社「スペースワン」(東京)が日程を変更すると発表した。

 ロケットの打ち上げは当初、2021年度中を予定していたが、コロナや世界情勢の影響で部品が調達できず、計4度延期してのチャレンジ。今回は内閣衛星情報センターの小型衛星を搭載しており、固体燃料を4段階に分けて分離し、最終的に衛星が目標の軌道に投入する計画だった。

 満を持してのこの日の天気は快晴。発射場から約2㌔離れた公式見学上の田原海水浴場(串本町田原)と旧浦神小学校(那智勝浦町浦神)や周辺に詰めかけた多くの見物人が固唾(かたず)をのんで見守るなか、午前11時1分12秒の発射予定時刻は直前に11時17分12秒に変更となり、結局、打ち上げは見送られた。

 午後1時現在、延期の原因、新しい打ち上げの日程は発表されていない。

めっちゃ残念です… 印南SAのPV会場に250人

 サテライト会場の印南下り線サービスエリア(SA)でも、打ち上げ延期の発表に集まった約250人から落胆の声が漏れ響いた。

 同SAでは55インチのテレビモニターを用意し、日高広域観光振興協議会が買い物客を対象に、関連グッズが当たるガラガラ抽選を実施。午前8時すぎの一番乗りから、10時を過ぎて人が続々と増え、発射予定時刻には会場を埋め尽くした。

 集まった人はモニターをじっと見つめ、10秒前からカウントダウン。日程変更の知らせに「あ~」と残念がる声が聞かれた。午前4時に泉佐野市の家を出たという60代の主婦は「めっちゃ残念です。それでも、この件での問い合わせで親切に対応してもらったり、サテライト会場が分からず、すさみまで行って戻ってきたのですが、道中やここで出会った和歌山の人の温かみを感じられたり、よかったことがありました。また次も来ます」。地元の女性グループは「楽しみが延びたってことで」と笑っていた。