今も店頭にシリーズ作品が並ぶ 「ドラゴンボール」(ブキャンドック大谷)

 日本国内のみならず、全世界で絶大な人気を誇る少年漫画「ドラゴンボール」の作者、漫画家の鳥山明さんが今月1日、68歳の若さで急逝したことが8日に報じられた。日高地方のファンからも、悼む声が上がっている。

 御坊市湯川町小松原の老舗書店、ブキャンドック大谷(大谷秀生店長)の大谷民子さんは「ジャンプで連載していた当時からすごい人気で、うちでもたくさん並べていました。今はもう防犯カメラも整備しているしそんなことはないですが、知らない間に何冊かとられていることもありましたね。きょうもニュースを聞いて早速、シリーズの最近出た巻を買いたいと来てくれたお客様がいました」と話している。

 日高町の47歳の主婦Yさんは26年ほど前、学生のころからお小遣いでこつこつ買い集めたドラゴンボールのコミックスを、泥棒にごっそり盗まれるという被害に遭った。当時、6歳下の高校生の妹が運動部のマネジャーをしていて、Yさんは「クラブのみんなが読みたがってるから貸して」と頼まれ、「いいよ」と数十冊をまとめて渡した。部室に置かれたコミックスは大好評だったが、ある日、その部室に泥棒が入り、ほかの漫画などと一緒にYさんのドラゴンボールも持ち去られた。Yさんは「私が子どものころはコミックスが出るのを心待ちにしていました。盗まれた本は戻ってきませんでしたが、ピッコロが〝悪もん〟からかっこいい〝ええもん〟に変わっていく過渡期、わくわくしながら読んでいたのを思い出します」という。

 1964年の創刊時から今まで、毎週欠かさず週刊「少年ジャンプ」を購入しているという筋金入りのジャンプファン、小池正幸さん(66)=御坊市藤田町藤井=はもちろん『ドラゴンボール』コミックスも全巻所有。突然の訃報に際し、「これまで私が読んできたジャンプの連載漫画でも、最も面白いのが『ドラゴンボール』です。絵はきれいだし、毎週『次はどうなるんだろう』と楽しませてくれる。ジャンプは人気作は終わらせず引き延ばす方針で、そういう作品は勢いが落ちて先細りになってしまう傾向にあり、この作品も本当は『フリーザ編』で終わりたかったと思うのですが、そのあともずっと面白かったのはさすが。作品自体の持つ力だと思います。でも一番好きなキャラクターは『Drスランプ』の則巻千兵衛。人間的で俗っぽいところがいいです。私とほぼ同世代でまだ68歳、とても残念で悲しいです」と惜しんでいる。