最優秀の盾を手にする山本代表㊥と残間審査委員長㊧、岸本知事

 県の2023年度プレミア和歌山推奨品発表会が4日、和歌山市で開かれ、梅干しや果実ジュース、生鮮食品など新規認定の109商品が紹介された。うち最優秀となる審査委員特別賞にみなべ町晩稲の株式会社うめひかりが販売する「梅と紫蘇(しそ)」、奨励賞にみなべ町と上富田町の業者の3商品が決まり、表彰された。

 新規認定の内訳は製造物分野の加工食品70商品、産業製品30商品、生鮮物分野の農産物7商品、特用林産物2商品。推奨品の累計は1333商品となった。

 最優秀の「梅と紫蘇」は南高梅と天然塩、赤紫蘇のみを使った昔ながらの酸っぱい梅干しで、完熟した梅だけを使用しているため、皮が柔らかくフルーティーな香りが特徴。梅農家の山本将志郎代表取締役(30)は兄が家業を引き継ぐ中、独立して2019年8月、農家と消費者が互いに顔の見える関係になるための架け橋になろうと梅加工会社を設立した。同志を集めて梅ボーイズを結成し、就農希望の移住者に梅栽培のノウハウを伝えるなどの取り組みも行っており、審査委員から「商品開発のストーリー性も素晴らしい」などと評価。山本代表は「うちは商品を海外にも輸出しています。生産者が自分の息子とかに自分の仕事を自慢できる、そんなお手伝いがしたい」と目を輝かせた。

 奨励賞はみなべ町西岩代のてらがき農園(寺垣信男代表取締役)が開発した3年熟成の南高梅で作った浅漬けの素となる「そのまんま梅の床」、同町芝の永岡食品株式会社(永岡健一代表取締役社長)が提供する災害やアウトドアを想定した長期保存用の「ウメ缶 どんなときもウメとごはん」、上富田町のプラム食品株式会社(長井俊暁代表取締役社長)の梅酒「JAPANESE CRAFT LIQUEUR くまの」。

 岸本知事は「世界遺産登録20周年(紀伊山地の霊場と参詣道)の節目に県産品を世界に発信したい」、残間里江子審査委員長は「新しい農業の可能性を秘めた若い担い手に期待する」と話した。