龍神温泉水で仕上げたドラゴンウォッシュロースト

 田辺市龍神村龍神、コーヒー豆の焙煎所とカフェを兼ねた「豆んと森珈琲」(中川政寿さん経営)は、龍神温泉の温泉水でコーヒー豆を洗って仕上げたコーヒー「ドラゴンウォッシュロースト」を販売している。温泉水でコーヒー豆を洗浄することにより、雑味のないまろやかな味に仕上がるという。

 中川さんは2014年、京都で知り合った龍神村出身の知人を訪ねた際、「自然豊かな地域で、森林と関わりながら生活している環境がとてもいい」と龍神村を気に入り、翌15年に同村に移住。現在は「豆んと森珈琲」を経営しながら、休耕田を活用したサツマイモ栽培や山登りの観光ガイドなども務めている。

 コーヒーは豆を洗浄する水の質などによって味が左右されるといわれ、中川さんは地元住民から「ご飯を炊いたり、サトイモを煮る際に温泉水を使うと、おいしく仕上がる」という話を聞き、温泉水でコーヒー豆を洗うことを思いついたという。試してみると、コーヒーの口当たりが柔らかになり、エチオピア産、ブラジル産などの豆を使って「ドラゴンウォッシュロースト」として商品化した。店内でドラゴンウォッシュローストを味わうことができるほか、袋入りのコーヒー豆も販売している。

 中川さんは「県外のイベントなどでコーヒーを販売することが多く、そうした機会に龍神村の魅力を発信していきたい。コーヒーを飲みに多くの人が龍神を訪れ、活性化につながればと思います。1人でも多くの龍神ファンが増えればうれしいです」と話している。

 店の営業日は不定期。問い合わせはインスタグラムの「豆んと森珈琲」から。