著者は、電撃小説大賞・銀賞を受賞し、2006年に「火目の巫女」(メディアワークス)でデビュー。「神様のメモ帳」シリーズがヒットし、漫画・アニメにも展開。ライト文芸レーベルや一般文芸誌で活躍されています。本作品は2023年5月の発売後、動画メディアでの紹介をきっかけに、30万部を突破。帯には「電子書籍化絶対不可能!?」や「紙の本でしか体験できない」「ネタバレ厳禁」などがうたわれている、電子化時代に大胆な「紙のトリック」を打ち出した作品となっています。“紙の本でしか体験できない感動”に「いままでに読んだ本で一番の衝撃」「本の形をした芸術作品」「何を言ってもネタバレになるから、すごいとしか言えない」など、次々と口コミが寄せられているそうです。

 あらすじ 大御所ミステリ作家の宮内彰吾が、癌の闘病を経て61歳で死去した。女癖が悪かった宮内は、妻帯者でありながら多くの女性と交際しており、そのうちの一人とは子供までつくっていた。それが僕だ。宮内の死後、彼の長男から僕に連絡が入る。「親父は『世界でいちばん透きとおった物語』というタイトルの小説を死ぬ間際に書いていたらしい。遺作として出版したいが、原稿が見つからない。なにか知らないか」。奇妙な成り行きから僕は、一度も会ったことがない父の遺稿を探すことになる。知り合いの文芸編集者・霧子さんの力も借りて、業界関係者や父の愛人たちに調べを入れていくうちに、僕は父の複雑な人物像を知っていく。やがて父の遺稿を狙う別の何者かの妨害も始まり、ついに僕は『世界でいちばん透きとおった物語』に隠された衝撃の真実にたどり着く――。

 電子書籍化不可能との話題作で、「どんな仕掛けがあるのかな~。紙の本じゃないと成立しない小説っていったいどういうこと?」と思いながら読み進めました。理由が分かった時は、「そういうことか!」と驚かされました。気になる人はぜひ自分の目で確かめてみてください!(米)