みなべ町の芳養王子で紀伊路最後のスタンプを手に入れた麻莉亜さん

 登山系ユーチューバーの麻莉亜(マリア)さんが、自身のユーチューブチャンネルで熊野古道紀伊路を歩く5泊6日の旅の動画を公開。和歌山市から田辺市まで120㌔の道中にある名所や歴史、おいしい料理など全3回、約2時間20分の動画に編集しており、紀伊路に詰まったたっぷりの魅力を発信している。

 「紀伊山地の霊場と参詣道」が今年、世界遺産登録20周年を迎え、県が紀伊路でのロングトレイル(距離の長い歩き旅)の誘客を図ろうと企画。北アルプスやヨーロッパのモンブランなど世界の山々を単独で登る約190本の動画をアップしてチャンネル登録数19・2万人を数える麻莉亜さんを起用し、昨年11月下旬に今回の一人旅の様子が収録された。

 「和歌山県街道マップ」と「熊野古道紀伊路押印帳」を活用。動画第1弾(25日現在16万回再生)は今月8日、第2弾(6万回)は20日、第3弾(5万回)は21日から公開。日高地方では日高町原谷の鹿ケ瀬峠、御坊市の塩屋王子を歩き、はし長のテラスではイセエビの刺し身に舌鼓。印南町では今又旅館でクエの刺し身や鍋を食べて「うま味が強くおいしい」と笑顔をみせ、切目王子などを巡った。みなべ町では開花前の梅林を歩き、梅酒づくりを体験。熊野古道紀伊路19カ所目で最終地点となる芳養王子で紀伊路押印帳のスタンプをコンプリートし、県の紀伊路踏破証明書を手にした。

 麻莉亜さんは「かつて困難な修行の道を歩くことこそに、信仰の意義が見出されていたのだと思います。きつかったけど、めちゃくちゃ面白く、そしておいしい旅でした」。県観光振興課は「世界遺産登録の節目の年に、麻莉亜さん独自の目線で見た紀伊路の魅力を知っていただきたい」と話している。