わんだーしぐれ煮を手にわんだーらんどの2人

 和歌山県住みます芸人わんだーらんどの2人と県内の魅力を発信している地域商社の株式会社ロカリスト(本社・和歌山市)は、日高川町で捕獲されたイノシシやシカの肉を使った食品「わんだーしぐれ煮」を商品化。22日に和歌山市の紀陽研修センタービルで開かれた販売イベントでPRした。

 わんだーらんどは2019年から同町で若手農業者や地域おこし協力隊らと一緒に甘夏や八朔の果樹を栽培して販売。SNSなどを利用し、新規移住農業者の獲得も支援している。

 ロカリストは株式会社紀陽銀行が一部出資して設立された地域商社。障害者就労施設との連携、若手農家や移住者が栽培した果樹の販売、耕作放棄地や空き家の対策などに取り組んでいる。

 「シカやイノシシを食用として広く販売し、農作物に被害を与える鳥獣害を減らしたい」という思いで、2年前からわんだーらんどとロカリストが共同でジビエを使った食品づくりの取り組みを始めた。その後、和歌山市の紀州甘辛屋がレシピを考案、同市の障害者就労支援施設「はぐるま共同作業所和の杜」に製造を委託。わんだーらんどが日高川町で管理している甘夏の果汁や果皮などを加えて甘辛く煮込み、試行錯誤を重ねて完成した。わんだーらんどの2人は「クセがなく、ジビエになじみのない人でもご飯のお供や酒のつまみとして箸が進んでしまう逸品です。この商品を通じて鳥獣害対策につながれば」と話している。

 1箱にイノシシとシカのしぐれ煮が各1包入りで1980円(税込み)。大阪の南海なんば駅2階のロカリスト直営店「The Localist」で販売している。

 わんだーらんどとロカリストは日高川産の甘夏をピールにしてトッピングしたラスク「わんだーラスク」も商品化している。