「南無阿弥陀仏」と唱えながら歩く豊嶋住職

 日高川町玄子、浄土宗法性山円通寺の豊嶋英雄住職(69)は寒の入りの6日、約1カ月間の寒行をスタートさせた。2月2日まで寒中の期間中毎晩、「南無阿弥陀仏」を唱えながら地域を歩いて回る。

 今年で43年目。網代笠に黒衣、白衣、袈裟、数珠を身につけ、伏鉦(ふせがね)をたたきながら一日3~4時間、川辺地区を中心に実施。期間中は、米や酒、肉、魚などは一切口にせず、食事ははったい粉や豆乳、野菜などで過ごす。今まで体調のすぐれない日や雪、大雨などでも歩き、寒行期間中に父を亡くしたときも一日も休むことなく続けている。

 今年も初日、本堂前で経を唱えたあと、中津川の宗福寺、千津川の長泉寺と上人堂(尊光寺)などを巡って念仏を唱え、地域の安全や世界平和を願った。

 期間中に集まった浄財は、日高川町社協などに寄付。今年は能登半島地震の被災者支援に役立てたいという。

 豊嶋住職は「今までは自然の流れに身を任せて続けてきた。これからもそれは同じ。体が続く限り続けさせていただきたい」と話している。