なんという1年の始まりだろうか。1日午後4時10分ごろ、多くの家庭で家族が集まり、だんらんのひと時だったろう、能登地方で最大震度7を観測する地震が起こった。4日現在で死者は80人を超え、安否確認できていない人がまだたくさんいる。被害の全容がまだ分からない、それだけ被害が甚大で混乱しているということ。揺れによる倒壊、津波、火災、加えて厳しい寒さ、考えただけで胸が痛い。今は行方が分かっていない人たちが皆無事であることを心から祈りたい。

 地震はいつもなんの前触れもなく襲ってくる、そんなことは分かっていても、だからといって今回、被害を最小限に抑える術はあったのだろうか。耐震性に不安があっても、家屋の補強には大きな出費が伴う。もっと手厚い補助で耐震化を進めていくことも一つの方法ではないか。のちに検証し、教訓にしていかなければならないだろう。

 どんな苦難であっても、我々は立ち上がり、乗り越えていかなければならない。多くの人の力が必要だ。そのために今自分に何ができるのか、ほんの少しでも一人ひとりが考えなければならないと感じている。

 当地方では近い将来、必ず南海トラフ地震が発生する。それが明日かもしれない。当然、なんの前触れもなく襲ってくる。今起こったとして、被害を最小限に食い止められるだろうか。まだ当分発生することはないだろう、そう思っている人が多いのではないか。少なくとも筆者は年始の小欄でこのような話を書くとは思ってもみなかった。いつ何が起こるか分からない、せめてそのことだけは心に留めておきたい。   (片)