御坊市斎場(島)は1989年9月の完成から34年が経過して老朽化が進んでおり、市が大規模な改修を計画している。

 施設は鉄筋コンクリート平屋建て、延べ床面積715平方㍍、5億6800万円を投じて建設。1919年に建てられた旧斎場を廃止し、従来の暗いイメージを一新した近代的で明るく、人生の終焉を飾るにふさわしい荘厳さを持たせた施設として生まれ変わったが、その後、長年の歳月を経て屋根や外壁、3基ある火葬炉などの設備も傷んできた。市は年間300万円から500万円かけて修繕を行っているが、年々予算がかさむ傾向にあり、大規模改修が必要な状況が迫っている。また、近年の斎場利用状況をみると、2000年度は317件となっているが、高齢化に伴い増加傾向にあり、22年度は382件。今後、利用頻度が上がれば老朽化も一層進むとみられている。

 市は第5次総合計画前期事業計画(2021~25年度)の新規事業として斎場改修を追加で盛り込んだ。いまのところ着手時期は未定。改修費は概算で2億7000万円が見込まれ、新庁舎建設など一大事業を実施する中で、財源確保が大きな課題となる。

 担当課によると、清掃センターのように周辺町と共同で広域の斎場を持つという考え方もあるが、周辺町の既設斎場との更新時期の違いや建設場所の問題などで、斎場を一本化させるのは難しいという。