今年も残り10日を切った。毎年言っていることだが、月日の経つ早さは異常に思えるほどだ。仕事のラストスパートなど忙しい中ではあるが、少し立ち止まって1年を振り返ってみたくなる時期でもある。今年の世相を表す漢字は「税」だった。筆者にとってはあまりピンとこないが、同じ生活に直結する類である「値」のほうがしっくりくるほど、何もかも値上げによる物価高を肌で感じた一年だった。

 もう一つはスポーツ界での日本勢の活躍。大谷翔平はもちろん、侍ジャパンのWBC優勝、ラグビーやバスケット、バレーボールの日本代表の躍進も記憶に新しい。今年の創作四字熟語が「アレ貫徹」に選ばれたように、阪神タイガースの38年ぶり優勝も日本中を元気にした。

 何よりコロナ禍からの脱却が一番大きい出来事だったように思う。昨年の今ごろではまだ、いつまで暗いトンネルが続くのかと不安を抱えながらの生活だったが、5月に5類に引き下げられてからは、今までがうそのように思えるほど明るくなった。コロナが大きなニュースにならない、当たり前だった日常を取り戻すことができた1年になったのではないだろうか。明けない夜はない、コロナ禍の教訓の一つだろうか。

 いわれてみてやっと、そんなこともあったなと思い出す、それほどに忙しい日々を送っている人がほとんどだろう。忙しく仕事ができるのはいいことでもあるが、体に無理のないようにとの言葉もかけてあげたくなる。皆さんはどんな1年だっただろうか。反省を来年の糧とするのはもちろんだが、頑張るばかりでなく、頑張った自分へのご褒美も忘れないでほしい。(片)