10日ほど前、気付けばスマホの電源が消えていて、何をしても復旧せず、数日間はスマホのない生活を余儀なくされた。筆者の場合、取材などのスケジュールはすべてスマホで管理、取材相手から写真などの情報を通信アプリLINEでやりとりすることも多々あり、仕事にも支障が出た。会社を出たあとだったため、スマホが故障したことを上司に伝えようにも電話番号はスマホにしか入っておらず、以前使っていた携帯を引っ張り出してかろうじて連絡先が分かったという始末。起床のためのアラームも当然鳴らず、スマホ一つでこれほど生活が変わるのかと驚いた。

 半面、申し訳ないが、急な呼び出しがないという解放感で心地よいひと時を過ごすこともできた。いかにスマホに依存した日常を送っていたのかということに気づいたのと同時に、何にも縛られない時間を過ごすことがどれほど気持ちいいかも実感したように思う。ひっきりなしに友達のグループLINEなどに忙しい中高生となるとまた話は変わるだろうが、そんなこともない40代の筆者はスマホのない生活もいいかもと少し思った。

 スマホがあれば分からないことがすぐに検索でき、行きたい場所にもナビが案内してくれ、誰かと話したければ電話やLINEでつながり、時間が余れば漫画を読んだりゲームでつぶせる。まさに現在の神器の一つ。反面、依存度が高くなるほど、一時であっても失ったときの動揺や影響は大きくなる。今使っているスマホがもし突然故障したら。大事なデータを引き継げるようにしておくことをお勧めする。もしもに備えるのは何も防災対策に限ったことではないと痛感した。(片)