リヤカーの徒歩で日本一周に挑戦中の頌己さん㊧と晃子さん(印南町で)

 ゴミを拾いながら徒歩で日本を一周しているカップルが9日、国道42号を通って日高地方を通過した。

 挑戦しているのは、籔根頌己(しょうき)さん(33)とパートナーの晃子さん(35)。2022年2月に頌己さんの実家がある兵庫県西脇市をスタートし、海岸線を通るルートで日本海側を北上。北海道を一周し、青森から太平洋側を南下してきた。先月30日に新宮市へ入り、9日はみなべ町から御坊市まで歩いた。

 掃除道具や荷物などを載せたリヤカーを頌己さんが引きながら、道に落ちているゴミを拾って歩く。ゴミは各自治体の役所へ運んで処分してもらっている。宿泊は基本、キャンプ場でテントを張って近くの銭湯を利用、夏や冬の天候が厳しい時期はその地域で働きながら、旅を続けている。

 きっかけは2人とも旅が好きという共通点があり、頌己さんは歩いて日本一周をしたいという夢があった。「できるのは今しかない」と、転職先の内定を蹴って晃子さんと出発を決意。単に日本一周をして自己満足で終わるだけでなく、社会貢献もしようと、ゴミ拾いをしながら旅をすることにした。旅ではリヤカーを見つけて声をかけてもらうことも多く、地域の新聞やテレビでも多数紹介されている。

 13日ごろに和歌山から徳島へ渡る。ゴールまではまだ2年はかかる見通し。晃子さんは「ゴールしたら今度は車で日本一周して、この旅で出会った人達に再会できたら」と話していた。

 旅の様子は2人のインスタグラム「日本一周∞ふたり歩き」(futari.aruki)でも発信されている。