感謝状を手に堺さんと阪口消防長㊧ら日高広域消防幹部

 迅速な避難誘導と的確な初期消火で火災の被害を最小限に抑えたとして、日高広域消防は8日、御坊市湯川町小松原で清掃業のトータルクリーンを営む堺健次さん(55)に初期消火功労で感謝状を贈った。堺さんは9月に日高町内で発生した建物火災で、住人を避難させたあと消火器で初期消火を実践。人命救助や延焼拡大に大きく貢献した。

 同消防によると、9月8日午後3時40分ごろ、日高町萩原の2階建て共同住宅の1階の一室で火災が発生。換気扇から黒煙が出ているのに気付いた近くの住民から火災を聞いた堺さんは、住人の男性を避難させた後、共同住宅に設置されていた消火器で初期消火を行い、被害を台所の最小限に抑えた。  出火当時、共同住宅のごみ置き場で作業していた堺さんは、近くの住民から「何か煙が出てないか」と声をかけられ、その部屋の方に目をやると、煙と炎が見えて火災に気付いた。直前まで一緒にいた共同住宅の管理会社の担当者に通報を依頼するとともに、車に載せていた脚立でフェンスを乗り越え、部屋の裏手に当たるベランダへ急行。「誰かいてるん?」と声をかけ、開いていた掃き出し窓から中に入ると、住人の男性(60代)がおり、煙で真っ黒の中を玄関へ一緒に避難した。さらに共同住宅の2階へ消火器を取りに行き、再び部屋に入って火の上がる天ぷら油に噴射。消防隊員到着時、火はほぼ鎮圧状態だった。  感謝状の贈呈は日高町の本部で行われ、阪口悟消防長は「8世帯が入居できる共同住宅で、もし火災が延焼拡大していれば、その被害は甚大なものとなっていた。堺さんの迅速で的確な行動は初期消火活動の模範」とたたえたうえで感謝。堺さんは「現場に居合わせたのが私。『何とかせな』の一心でした。大きな被害にならず、よかったです。消火器は初めてでしたが、消防の方に聞きながら、落ち着いてできた」と振り返り、「感謝状をいただき光栄。一生の勲章です」と笑顔を見せた。