津田署長から感謝状を受ける岩崎さん

 架空請求の特殊詐欺被害を未然に防いだとして、御坊署は20日、御坊市藤田町吉田のローソン御坊藤田町店店員、岩崎紀子さん(53)に感謝状を贈った。

 同署によると、今年10月22日午後2時10分ごろ、レジを担当していた岩崎さんが隣のレジで客の70代女性が30万円分のアップルギフトカード(プリペイドカード)を購入しようとしているのに気づき、詐欺と直感。精算を中止させるとともに、警察に通報した。女性は「電話の未納料金がある」というメッセージをきっかけにだまされ、犯人からプリペイドカードの購入を指示されていたとみられている。

 感謝状は署長室で津田陽三署長が贈呈。「感謝しかないです。最後の砦で防いでいただきました。これからもよろしくお願いします」と述べた。

 特殊詐欺について店内放送やテレビ、警察からの情報で日ごろから注意しているという岩崎さんは、「隣のレジで母と同じぐらいの年齢の方が高額な電子マネーを購入しようとしていたので『ちょっと待って!』と。お客さんを守れてよかったです」と話していた。

 県警によると、今年10月末現在の特殊詐欺被害認知件数は81件で被害額は3億円超。81件のうち、今回のような手口の架空料金請求が54件、金銭交付方法の電子マネー型が27件と、いずれも最も多くなっており、注意とともに特殊詐欺相談ダイヤル0120―508―878(これは・わなや)の利用を呼びかけている。