県主催のクビアカツヤカミキリの対策研修会が16日、みなべ町生涯学習センターで開かれ、日高地方や田辺市の梅生産者や果樹農家ら関係者約70人が参加した。
クビアカツヤカミキリは、梅やモモなど果樹に大きな被害をもたらす特定外来生物。2017年に紀北地方で成虫が確認されて以降、被害が急速に拡大している。日高地方でも今年5月、御坊市の私有地にあるサクラの木で糞と木くずが混ざった「フラス」と呼ばれる排出物が確認され、7月に日高川町、9月には由良町でも確認。紀中地域の被害は10月末現在、1市2町の22地点、53本の樹木に及んでいる。
研修会ではクビアカツヤカミキリ対策に関する研究や発生時の対応などについて、果樹試験場うめ研究所の研究員、県農業環境・鳥獣害対策室の職員らから説明があった。
早期発見の手がかりになるフラスは、3月下旬から11月に確認されやすいという。職員らは「樹木だけでなく地面周辺も入念に見回るよう促し、発見した場合はすぐに振興局やJAに通報するようにしてください」と呼びかけた。研究については、現在、試験場で樹木への薬剤散布の殺虫効果、コーティング塗布による防除効果、ネット被覆による産卵抑制効果の3つの研究が行われており、来年度からは現地での試験も行うという。効果的な対策については「一つの方法で完全な防除は難しい。複数の方法を組み合わせてしっかりと防除することが大切」とした。
県は病害虫防除対策事業として、被害が確認された樹木の伐採・伐根、ネット被覆などの対策費用の補助を行っている。申し込みは申請書や処理前後の写真の提出が必要。詳しくは県のホームページで。