感謝状を手に中村さんと堂岡さん(左から2人目)

 今年6月の豪雨の際、住民の救助活動に協力したとして、日高広域消防本部は15日、日高町比井の株式会社中村建設(中村昭代表取締役)に人命救助功労の感謝状を贈った。

 同消防によると、6月2日午後1時43分ごろ、豪雨により高家地内の川があふれ、複数世帯が住宅に取り残された際、消防隊が到着するも道路冠水のため現場に近づけないなか、近くの工事現場にいた同社社員が不整地運搬車で濁流におおわれた道路を往復。隊員を乗せ、ともに住民5世帯11人を救出した。

 日高町の消防本部で行われた贈呈式には中村代表(64)=比井=と、現場責任者で活動を指示した堂岡英紀さん(59)=萩原=が出席。阪口悟消防長が感謝状を手渡し、「時間との闘いのなか堤防が決壊、はんらんに至れば極めて危険だったと容易に想像がつきます。災害における地域の建設会社様のご協力は人命救助に尽くす私ども消防にとっても心強い限り。今後もご協力お願いします」と述べた。

 中村代表は「感謝状をいただけるなんて思ってもおらず光栄。どの業者さんでも、その時になれば、していたと思います」。堂岡さんは「被災現場には赴きますが、まさに災害が起こっている現場。水の力は怖いと思いました」と振り返り、2人とも「皆さんが無事でよかった」と話していた。