北海道三笠市の広大な梅園で山本代表

 みなべ町の若手梅農家らでつくる「梅ボーイズ」は、休耕地となっていた北海道三笠市(道央)にある梅園の経営を引き継ぎ、今夏から管理運営をスタートさせた。みなべの梅栽培のノウハウを応用しながら、現地の梅を使った加工品などの商品開発にも取り組み、梅園の復活だけでなく、三笠市の産業活性化にもつなげていきたい考えだ。

 梅ボーイズは各地の梅農園の後継者不足など、地域が抱える課題を解消しようと、地元出身の山本将志郎代表(30)を中心に2019年に結成。今年からは次世代を担う梅農家の育成にも取り組んでおり、すでに全国から5人の若者がみなべ町に移住し、農園の経営や栽培のノウハウについて学んでいる。 

 活動をネットやSNSを駆使して全国に発信していく中、大学時代を北海道で過ごした山本代表の知人を介して、三笠市にある社会福祉法人明日佳グループから「梅園を復活させてほしい」との要望を受けた。広さは約10万平方㍍。春には梅の花が一斉に咲き、地元住民からも親しまれていたことから「耕作放棄させてしまうのは申し訳ない」との理由で、市役所や市民からの期待の声もあり、梅園の経営管理を受け継ぐことになった。

 三笠市の梅園は、札幌市から車で東へ約1時間。積雪が多い地域のため梅の木もほぼ弱った状態で、約3年、休耕地となっていた。今年7月には地元の人と一緒に収穫作業を行ったが、約100㌔しか収穫できなかったという。梅ボーイズでは広大な敷地の梅園を復活させるため、まずは弱っている梅の木を取り除き、新たに苗を植えて一から育てていく。

 梅園では南高梅より果肉が薄い「豊後」という品種を栽培。経営は現地の農園長やスタッフと連携しながら、梅シロップなどの加工品や豊後の香りを生かした化粧品などの商品開発を行い、梅ボーイズのインターネットサイトなどで販売することも考えているという。山本代表は「まずは元気で大きな梅が育つように環境の整備に努めて、将来的には梅園を通して三笠市を盛り上げていけるようになりたい」と話している。

 現在、梅園を経営する農園長などのスタッフを募集している。問い合わせは梅ボーイズ℡080―1173―2685。