岸本周平知事は10日、県の2024年度予算編成方針を発表。今年2月に出した「財政危機警報」を踏まえて、古い事業や費用対効果の低い事業を積極的にカットするなど、財政改革に本腰を入れる。一方、政策的経費に重点施策推進のための一定の予算枠を新たに設定し、県の未来につながる施策を強力に推進する。

 昨年12月に就任した岸本知事はかねて、23年度の予算編成について仁坂吉伸前知事が練り上げた案をほぼそのまま生かしているとし、自身のカラーが反映されるのは来年度の予算編成からになると説明していた。

 政策的な経費(投資的経費を除く)には各部局が事業の優先順位を見直し、より効果や必要性の高い事業に組み替える予算要求枠(部局マネジメント枠)を設定。さらに全庁的に部局マネジメント枠の経費にマイナス15%シーリングを実施したうえで、部局マネジメント枠の5%相当額を上限とした重点施策推進枠を設け、重点施策の推進に一層力を入れる予算配分とする。重点施策推進枠以外の部局マネジメント枠予算の事業は、これまで行っていた財政課や知事の査定をなくして、各部局の判断に委ねる。

 岸本知事は「いたずらに予算をカットするわけではなく、あくまで賢いやりくりをしていきたい。惰性でやっているような事業はやめて、めりはりの利いた予算にすることが大切。県庁職員の業務量が多いので、事業量を減らすことでライフワークバランスの見直しにもつなげたい」と話した。