イペーの苗木を囲んで記念撮影する谷口さん(前列中央)ら

 5日に開幕した第2回和歌山県人会世界大会に合わせて4日、みなべ町の旧清川村からブラジルのドラードス市に移住した谷口史郎さん(83)が母校の清川小学校を訪問。谷口さんの同級生らも集まって、校庭にブラジルの国花「イペー」の苗木を植えた。

 谷口さんは、旧清川村の元村長で戦後の移民計画を支えた谷口文太郎氏(1911~2008)の次男。1953年、小学校卒業後まもなく家族でブラジルに移住し、家業のコーヒー栽培に従事してきた。今回は世界大会開催に合わせて、妻のみどりさん、娘のモロト・あゆみさん夫婦とともに、前回の第1回世界大会以来4年ぶりに帰郷した。

 イペーはノウゼンカズラ科の木で、桜のように毎年春に開花し、黄色やピンクのラッパ状の花を咲かせる。田辺市の中南米交流協会から苗木を提供してもらい、故郷の子どもたちに移民の歴史を伝えたいとの思いで校庭に植樹。谷口さんは「私たちの故郷がさらによくなってくれることを祈っています」と話した。

 同級生とも4年ぶりの再会。久々に会った旧友たちと笑顔で小学校時代を懐かしんだ。