児童、生徒の減少に伴い御坊市教育委員会が適正規模・配置に関する基本方針をまとめた。複式学級が発生する過小規模校は教育上の課題が大きいため再編・統廃合に向けた具体的な検討を進めていくとし、小規模校については小規模のメリットを最大化させる取り組みを進めるとともに、必要がある場合は再編・統廃合に向け具体的な検討を進めるとの方向性を示した。

 また、再編・統廃合計画の素案策定に向けては小規模校で学校規模によるデメリットがメリットを上回っていないかアンケートにより検証して判断。過小規模校については校区の未就学児の人数から数年後に複式学級が発生しないかを検証して、発生するなら素案作りに進む。さらに、地域からの要望、第三者機関が再編・統廃合の必要があると判断した場合、政策的な判断があった場合の3パターンでも素案作りへの道となる。

 現在、市内小学校は御坊が適正規模校でそれ以外の5校は小規模校。将来推計によると児童数の減少に伴い、2030年度に名田小、37年度に塩屋小が過小規模校となり、複式が発生する。まだ先の話なので推計通りになるのかどうかは分からないが、全国的な少子化の流れで、なかなか子どもが増えるとは考えられず、遅かれ早かれ複式学級が発生するのは間違いない。周辺町を見ても小・中学校の統合の流れが加速しており、御坊市もよそ事ではいかない。

 もちろん、統合ありきの議論を進めるということはないが、こういった議論を始めるに際して、早過ぎるということはない。子どもたちのことを第一に考え、よりよい教育環境が整うことを期待している。(吉)