日高川町役場へ捜索に入る県警の捜査員(21日午後7時30分ごろ)

 日高川町が発注した工事の入札情報を業者に漏らしたとして、御坊署と県警捜査二課等は21日、同町副町長で三佐の小早川幸信容疑者(66)を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕した。工事を落札した建設会社、駒場工務店代表取締役で高津尾の駒場一仁容疑者(60)も同妨害容疑で逮捕。警察は2人の認否を明らかにしていない。

 調べによると、小早川容疑者は昨年6月30日、町が発注した江川小学校屋根防水改修工事、山村開発センター屋根修繕工事、中津小学校体育館屋根改修工事の3件の指名競争入札で、非公表だった最低制限価格(落札額の下限)の算定基礎となる「基準額」を駒場容疑者に漏らし、工事を落札させた疑い。駒場容疑者は情報を受けて工事を落札し、入札の公正を害した疑いが持たれている。

 3件の工事の入札には各6社が参加し、駒場工務店の落札額は計約1500万円(税抜き)。それぞれの工事について、最低制限価格を数千円~数万円上回る金額で落札していた。

 小早川容疑者は2017年7月から、副町長として町発注の工事の指名競争入札で業者選定や工事の最低制限価格の決定に必要な設計価格に関して指揮監督等を行っていたという。

 県警は21日夜、役場等を家宅捜索。情報を漏らした経緯や動機とともに、同社側から金品などの見返りを受けていなかったか調べるとみられている。