壁にセメントを塗る参加者

 東京大学大学院2年生で、今年4月から美浜町三尾に移住した岩永淳志さん(24)が主催のDIY体験会が19日から、三尾の岩永さんが住む古民家で開かれている。

 古民家をリユースしたいが大工仕事を学ぶ機会がない、といった声を受け、自身の古民家を使って技術を学んでもらおうと初めて企画した。

 講師には、海南市を拠点に古民家再生等を手がけている大工いとうともひささん(38)=株式会社いとうともひさ代表=を招いた。SNSなどを通じて東京、福島、兵庫県などから男女5人の大学生が集まり、22日までの4日間、知識と技術を学びながら実践している。

 2日目の20日はセメントの配合やこね方を教えてもらいながら実際に行い、外壁のはがれたところに塗る作業に挑戦。いとうさんが見守る中、みんなで順番に塗り、「うまい!」と褒められていた。

 将来は空き家専門の建築士を目指しているという福島県出身の菅野佑志さん(21)は「現場で実際に大工の方に教わる機会はめったにないので、本当に貴重な経験。三尾の景色もすごく魅力的で、これからもつながっていきたい」と目を輝かせていた。

 岩永さんは「プロの方から一から教わる機会はそうないので、これからも定期的に開いていきたい」と話した。