夜空に浮かぶ光。月ほどではないが、星よりはずっと大きく、点滅しながら移動している。も、もしかして…。いわゆるUFO(未確認飛行物体)かも、というこの手の話はいくつになってもワクワクしますが、テレビに登場する謎の光はどれも、専門家によって自然現象や飛行機等だと否定されてしまいます。

 国立天文台の渡部潤一先生によりますと、話を聞けばそういった類の現象はほぼすべて、画像や映像を見るまでもなく宇宙船ではないことが説明できるとのこと。なぜか。答えは簡単。UFOだと驚き、興奮する人は普段、夜空を見上げることがほとんどないからだそうです。

 この童話は夜空に輝く星や美しい銀河に思いを馳せる少年の目を通して、この世とあの世を結ぶ不思議な銀河の旅に誘ってくれます。主人公のジョバンニは学校ではいじめられっ子ですが、病気で寝たきりの母を助けるために朝も昼も働くやさしい男の子。星祭りの夜、丘の上で星空を眺めていると、不思議な声と光に包まれ、気がつくと唯一の友達のカンパネルラと銀河鉄道に乗っていました。2人は旅の途中でいろんな人と出会い、「本当の幸い」の意味を見つけようと約束しますが、いつしかカンパネルラの姿は見えなくなり…。

 先日、アメリカの国防総省がUFOなどに関する画像や映像の情報を一般に公開する専用サイトを開設したというニュースがありました。天文学者は数々の自然現象や飛行物体を見ているため、いわゆる「UFOかも」的現象に驚きはないのかもしれません。が、私は人に笑われながらも、光に驚き、興奮する人間でありたいと思います。この不思議な物語も、ジョバンニとカンパネルラが旅の途中で出会う人たち、その人たちの言葉は何を意味しているのでしょうか。UFOかただのドローンか、解釈はあなたしだいです。       (静)