紀中(日高地方1市6町)を舞台にしたサイクリングイベント「和歌山紀中サイクルフェスタHUB(ハブ)23」が3日に行われた。京阪神などからの450人がそれぞれの自転車に乗り、印南町を出発。日高川町、御坊市、由良町、日高町、美浜町と各地を走った。この日は各地で自転車の走る姿が見られ、イベントを知らなかった人は驚いたことだろう。


 イベントは昨年に続き2回目だが、昨年はあいにくの雨で日高地方の自慢の景観をあまり見ることができなかっただろうから、2回目の参加者たちにとっても初めて日高を楽しめたことと思う。筆者も写真撮影で参加し、切目川ダムと白崎海岸の2カ所で撮った。切目川ダムでは壮大なダムに驚かされ、白崎海洋公園では白い大きな立巌(たてご)岩や白い岩と海の青のコントラストに息を呑み、いずれの場所でも自転車を降りて撮影する参加者が見られた。日高の景観のPRに大きく役立っている。また、撮影した写真はインスタなどのSNSにアップされており、自転車仲間にも魅力は伝わると思われる。


 さらに感じたのは、沿道の住民の応援だ。撮影ポイントを変えるために自転車のあとをついて車で走っていたが、印南町内の山間部では家の前に椅子を置いてお年寄りたちが手を降っていたり、由良町でも道路に立って応援したりする姿が見られた。笑顔いっぱいに手を振る住民たちの姿は、日高の素晴らしい景色とともに参加者たちの心に残ったことだろう。


 イベントは、来年もすでにみなべ町発着で開催が決まっている。大規模なため運営は大変だろうが、地域住民と一体となって日高地方の魅力発信できるHUBが今後も続いていくことに期待したい。(城)