「本戦へ一から頑張りたい」と久保井さん

 特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」(10月、鹿児島県)柔道競技成年男子の部の近畿ブロック大会が3日、兵庫県立武道館で開かれ、印南町西ノ地の久保井浩太さん(22)=中津中学校講師=がメンバー入りする和歌山県チームが2位で本戦出場を決めた。初めて県代表に選ばれた久保井さんは、先鋒(60㌔以下級)として2勝2敗1引き分けの成績で、チームの近畿ブロック予選突破に貢献。本戦へ気合を入れ直している。

 近畿ブロック成年男子は2府4県の代表が5人ずつのリーグ戦を展開。上位3チームに本戦出場権が与えられた。和歌山は3勝0敗2引き分け。京都に2―2で引き分け、兵庫を2―1、大阪を3―1で下すと、奈良に1―1で引き分け、滋賀に1―1で内容勝ちした。

 久保井選手は初戦の京都戦、強豪の大阪戦で勝利し、本戦切符を決めた奈良戦で引き分け。京都戦は上四方固め、大阪戦は縦四方固めと、得意の寝技で一本勝ちした。

 4歳から地元の久保井塾で柔道を始め、松洋中学校から京都文教高校、龍谷大学へ進学。双子の妹仁菜さん=関彰商事所属=とともに活躍、中学で近畿3位、高校で近畿2位、大学で近畿優勝の成績を収め、いずれも全国大会出場経験がある。国体本戦には京都代表として高校で1回、大学で2回出場。近畿ブロック大会突破は初めてとなった。

 今春に大学を卒業して中津中に勤務。週に2、3回、久保井塾で練習している。7月の県階級別選考会を突破し、代表入り。練習不足に不安がある中、8月の全日本実業団柔道個人選手権大会で8強入りし、自信を持って近畿ブロック大会に臨んだ。20年近くになる柔道人生でほとんど経験のない先鋒。「何とかしてチームにいい流れを」と格上相手にも思い切り挑んだ。

 柔道が毎日でなくなるとともに、学生時代のプレッシャーがなくなり、あらためて楽しさを実感。一方、兵庫戦と滋賀戦で敗れ、「得意の寝技で失敗、自分の甘さから負け、後ろの選手に負担をかけてしまった。本戦ではチームに迷惑をかけず、活躍できるよう気持ちを入れ替え一から頑張りたい」と話し、「中学校まで生まれ育った地元のゼッケンをつけて戦えるのがうれしいです。指導者や関係者の激励や協力してくれている学校の皆さんらの期待に応えられるよう頑張ります」と燃えている。