勲記を手に木村さん

 日高地方で約31年間教職を務めた元稲原中学校長木村弘さん(88)=日高川町小熊=が高齢者叙勲の教育功労を受章し、28日、木村さんの自宅で勲章と勲記が伝達された。


 高齢者叙勲は春と秋の叙勲を受章していない功労者に対して贈られ、88歳に達した機会に内閣府が勲章を授与する。


 木村さんは1965年、印南町の上洞小学校に赴任。96年の退職まで日高地方で教諭として19年、教頭として5年、校長として7年勤務した。教諭時代は日高中や切目川中で英語科教諭、野球部の顧問として生徒を指導。教頭時代は真妻小で「子供郵便局」などの取り組みを実施し、同校は優良局として郵政大臣賞、大蔵大臣・日銀総裁賞を受賞した。89年からは校長として丹生中や稲原中に赴任し、地域への奉仕活動や農業体験を取り入れ、稲原中では現在も農業を中心とした体験学習が行われている。


 伝達は、最初と最後の赴任地となった印南町の平尾潔司教育長が木村さんの自宅を訪問。木村さんは勲章と勲記を受け取り、「在職中、一緒に生活してくれた生徒や関係者の皆さんにはいろいろと助けていただきました。大勢の子どもたちに私が教えられて、少しずつ成長できたと思っています。ありがとうございます」と話していた。