県は2022年県観光客動態調査の結果(確定値)を公表。県内全体の観光入込客総数は2913万8000人で、前年比117・1%となり、コロナ禍前の19年比では82・2%まで回復した。日高地方7市町の中では、印南漁港に観光交流施設がオープンした印南町が観光客数約60万人で最も多く、前年比でも一番高い増加率となった。

 県内観光客の内訳は日帰り客が2483万5000人で前年比115・5%、宿泊客は430万3000人で前年比127・2%。22年も年明けや6月の急激な感染拡大などコロナの影響を受けたが、リフレッシュプランSの県民割やブロック割の展開で少しずつ回復し、特に夏場は3年ぶりに行動制限がなく好天にも恵まれた。外国人宿泊数は4万1482人泊で、昨年10月の水際対策緩和以降堅調に回復。過去最高だった19年比は1割にも満たないが、過去最低だった前年比では750・9%でⅤ字回復の兆しをみせている。

 県内市町村で最も観光客数が多かったのは和歌山市の562万9460人(前年比121%)、次いで白浜町304万1218人(115・97%)、田辺市258万4685人(137・04%)、最少は美浜町2万6491人(91・9%)。前年比増加率トップは田辺市の137・04%。前年に比べ観光客数が減ったのは日高川、美浜、紀美野の3町だけで、減少率トップは日高川町の90・05%。

 日高地方の観光客数は多い順に印南町60万2907人(124・77%)、みなべ町46万2644人(118・8%)、日高川町42万177人(90・05%)、由良町36万3151人(117・97%)、御坊市24万6984人(108・72%)、日高町19万7660人(117・7%)、美浜町2万6491人(91・9%)。

 印南町役場担当課は「昨年4月にかえるの港がオープンしたことなどで観光客が増えたと思われる。町内にはゴルフ場3カ所、高速SA、歴史施設などもあり、多くの人に利用してもらえている」と話している。