ご先祖様をお迎え、送る盂蘭盆会。お墓参りをされる方、なかなか行けない人も先祖、亡くなった家族を思う気持ちがあふれる時であろう。筆者の地元では墓参りの際に手持ち花火をする風習がある。独自の風習が各地域に残っているだろう。が、今年は風雨に見舞われ、盆の行事や墓参りを躊躇した人も多かったのではないか。盆休みは行楽客で稼ぎ時の観光地や関係者にはうらめしい台風となった。コロナで3年間我慢して今年こそはと期待していた人たちの思いに水を差した。観光地に甚大な被害が出なかったことを幸いと思い、旅行をキャンセルした皆さんはまた新しい計画を立ててもらいたいと願う。

 線状降水帯という言葉が定着してまだそれほど経たないが、日本各地で甚大な被害をもたらしている。いつどこで発生してもおかしくなく、気象庁も2021年から予報を発表している。和歌山県にも今年6月初旬、紀北に発生して大きな被害をもたらした。日高地方でも由良町や日高町などで床上浸水、道路等の冠水等が起こったのは記憶に新しい。今回の台風では幸い日高地方では目立った被害はなかったが、これからが本格的な台風シーズンで、線状降水帯発生の恐れはまだまだ続く。

 台風の進路は時間ごとに予想され、対策も取りやすいが、線状降水帯や集中豪雨は台風ほど正確な予想は難しく、どのように準備しておけばいいか。まずは自分の住んでいる場所の身近な危険を予測しておくことからだろう。大雨が降ることによって土砂災害、河川の氾濫、道路冠水など見舞われるであろう危険を把握し、どこに避難しておくべきなのか、あらためて確認しておきたい。(片)