賞状を手に片山さん

 弘法大師御生誕1250年でにぎわう高野山で7月16日、第8回高野八葉全国俳句大会が開かれ、当日句の部で由良俳句教室会員の片山綾子さん(62)=門前=が最優秀の金剛峯寺賞を獲得した。

 応募句967句、大会参加者93人。当日句は前泊や当日に車、電車で来た人らが選者を含め全員投句し、参加者全員による選句、披講、点盛の後、入賞者が決まった。

 金剛峯寺賞に選ばれた片山さんの句は「日焼の子千年杉の脈を聴く」。片山さんは前日から高野山に入り、半日歩き回った。3連休初日、家族連れでにぎわう奥の院で、千年杉に触ったり頭をつけたりする子どもの姿を見て、「千年杉の意味は分かっていないだろうけど、面白い動きだな」と句作。「いつか大人になったとき千年杉を思い出すため、脈を聞いていたのではないだろうか。大人になったときの姿が目に浮かぶ」と共感を得て高評価を受け、佐怒賀正美氏の選者特選句にも選ばれた。

 農業に従事するなか32歳のとき由良俳句教室の会員となり、高野八葉全国俳句大会にはこれまで応募句で準特選を受賞した経験がある。当日句への参加は初めて。「受賞でまた新たに挑戦、新しい視点で自然や人の生活、物事を見たいとあらためて思いました。死ぬまで1年生です」と笑顔を見せている。