今年上半期(1~6月)の県内特殊詐欺被害総額が1億7359万円となり、昨年1年間の総額1億7313万円を半年間で上回った。御坊署管内でも7月に60代の男性が現金と電子マネー合わせて410万円をだまし取られる被害が発生。これで今年2件目、被害額は計440万円になり、さらに同様の手口で電子マネーや現金を要求する特殊詐欺の電話が増えている。

 県警が発表した特殊詐欺被害状況分析によると、6月末現在の認知件数は55件で前年同期比14件増。手口別の件数と被害額は、架空料金請求が34件で約1億4750万円と最も多く、預貯金詐欺の12件で約1185万円と続いている。被害者55人の年齢構成は、70代と80代が17人ずつ合わせて34人と高齢者が多く、他は60代7人、50代5人、40代4人、30代2人、20代3人となっている。

 月別では1月の被害総額が約1億2577万円(前年同期104万円)と突出。和歌山市の80代女性が現金約7400万円をだまし取られたり、同市の70代女性が約1900万円、橋本市の70代女性が約1600万円を詐取されるなど高額被害が相次ぎ、わずか半年で昨年1年間の被害総額を上回ったのが要因とみられている。

 御坊署管内では「携帯電話の料金が未納になっている」などとうそを言い、電子マネーや現金を要求する電話が増えている。「コンビニへ誘導し、電子マネーを購入させて、シリアルコードを聞き出そうとする電話は詐欺」と同署。「このような電話があれば自分自身で判断せず相談してください」と呼びかけている。まずは落ち着くことが大切、そして誰かに相談。「自分は大丈夫」ではなく、日ごろから警戒を。(笑)