
御坊市の藤田小学校(原啓司校長)で7日、平和学習が行われ、5、6年生が原爆体験伝承者の安斎陽子さんから広島原爆について聞いた。
原爆体験伝承者は、実際の被爆体験者からの話を受け継いで伝える人のことで、安斎さんは東京の国立市で養成を受けた。この日は広島に原爆が投下された時、中学3年生だった故平田忠道さんの体験を語った。
原爆が投下された1945年8月6日午前8時15分、平田さんは広島市富士見町の自宅から約17㌔離れた工場で作業していた。真っ青な空にB29が現れ、空がピカッと光り、ズドーンと激しい爆音が響いた。急いで家に戻ったが体中に火傷を負って逃げる人や、「水をくれ」とつぶやき続ける兵隊、赤黒く膨れ上がった焼死体など、悲惨な光景が広がった。焼け野原から見つけた家には朝見送ってくれた母と3歳の弟の姿はなく、負傷者が運ばれる救護所や周辺を探し回ったが見つからず、後日、朝鮮から帰った父が自宅の庭で2人の骨を見つけた。
安斎さんは「皆さん、もしいま原爆が落ち、家に帰っても家族がおらず、待っても待っても帰って来ず、何日も夜を1人で過ごすことを考えてみてください。平田さんはいつもこの話をとても辛そうに話していました。それでも話すのは自分のような思いを誰にもしてほしくないからです」と述べ、「戦争をなくすことは難しいですが、私達は努力し続けなければならない。一人ひとりが戦争に向き合い、平和について考えてください」と呼びかけた。

