県民文化会館などを会場に県のアジア・オセアニア高校生フォーラムが開かれた。アジア、オセアニアの17カ国・地域から高校生が集い、日本の高校生も含めて教育問題など5つのテーマで意見を交わす。コロナ禍ではオンライン開催だったが、実会場では4年ぶりとなった。

 さまざまな国の人が集まるフォーラムでは言語を英語に統一している。いつも驚かされるが、こういった行事に参加する海外の生徒は当たり前のように英語を使う。日本人が英語を話せない理由として「日本語と英語の相性が悪い」というのも聞くが、こういった海外の生徒は結構日本語も上手に使うので、さらに驚かされる。

 もちろん日本の高校生も負けておらず、堂々とした発音で発表などを行っていた。フォーラムで心配になるのは質疑応答。事前に用意した原稿を読む「発表」と異なり、質疑は参加者が突発的に行うので、事前準備ができない。今回のフォーラムでも日高高の生徒への質問があり、内心どきどきしていたが、きちんと質問を理解し堂々と考えを述べる姿には脱帽させられた。

 それにしても4年ぶりの実会場での開催は、オンラインとは全く異なるものを感じた。会場は和やかな雰囲気が終始漂い、ユニークな発言などには笑いが起こり、機械トラブルや発言のちょっとしたミスなどでも、笑いと拍手で応援する様子が見られ、一体感が生まれていた。発表を観覧する生徒たちも日本人同士集まることなく、仲良くなった海外の生徒と時折、耳打ちして笑い合う姿もあり、一気に距離が縮まっていたようだった。

 オンライン会議も便利なものだが、交流を深めるにはやはり直接顔を見合わせるのが一番。楽しそうに談笑する参加者たちの姿を見て感じた。(城)