新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2類相当から5類に移行し、初めてとなる夏の観光シーズンを迎えた。コロナ行動規制の緩和を受けて宿泊施設の予約状況も好調で、「コロナ前とほとんど変わらない」という声も聞かれる。日高町の産湯海岸でも京阪神などから多くの海水浴客が訪れている。

 国内でコロナ感染が拡大した2020年以降はイベント開催が自粛されていたが、今年5月にコロナがインフルエンザと同じ5類に引き下げられたことをきっかけに各地で再開。日高地方でも毎年開催されていた花火大会や夏休み中の子ども向けの行事がコロナ前の状況となり、にぎわいが戻った。

 夏休み期間中の宿泊施設の予約は順調で、みなべ町埴田の国民宿舎紀州路みなべは8月末までほぼ満室。担当者は「団体客も戻りつつある。宿泊予約に関してはコロナ前よりも勢いがあるのでは」と表情は明るい。コロナの行動規制の緩和のほか、4年ぶりに鹿島の奉納花火が開催されることや千里の浜のウミガメ観察などが行われていることなども宿泊客の増加につながっているという。

 9日に海開きした日高町の産湯海水浴場も15、16、17日の3連休はにぎわいをみせ、特に16日には1000人を超える来場者となった。観光関係者らは「海水浴場に大勢の人が訪れることで、温泉館など周辺の観光施設の活性化にもつながる」などと波及効果を期待している。

 インバウンドについても22年はコロナ前の19年に比べて91・7%減となったが、県観光交流課は「今年に入って徐々に回復傾向にある」と話している。