和歌山南陵は初回、上田の2点適時打で松谷㊨が笑顔でホームイン

 第105回全国高校野球選手権記念和歌山大会12日目の23日、第2試合で和歌山南陵が近大新宮を9―2、8回コールドで下し、2年連続ベスト4進出を決めた。南陵はそつのない攻撃で序盤から着実に加点、持ち味の勝負強い打力を発揮し、投げてはエース片岡が8回を完投した。準決勝は26日の第1試合で市和歌山と対戦する。第1試合では南部龍神が序盤のリードを守り切れず、和歌山北に7回コールド負けとなった。

 ◇準々決勝
和歌山南陵
 311010129
 000020002
近大新宮
  (8回コールド)

 南陵は初回、髙田、松谷の連打で1死一、二塁とし、4番上田が左中間へ走者一掃の適時2塁打で2点先制。さらに三進後、村井がきっちりとスクイズを決めて流れをつかんだ。2回には片岡、池澤の連打で無死一、三塁から作の内野ゴロ併殺の間に片岡が生還。3回は髙田の安打と2四球で1死満塁から片岡が中前へはじき返し、5回には1死一、三塁から再び片岡が一、二塁間をしぶとく破る適時打。自らのバットで貴重な追加点を奪った。7回は池澤、作の連打で2死二、三塁から暴投で1点。8回は1死二塁から上田が左越えへ3試合連続となる会心の一撃を放り込み、試合を決めた。

 先発片岡は5回に2死から失策と四球で一、二塁に走者を背負い、1安打で2失点したものの、以外は危なげない投球を披露。130㌔台の速球と得意のスライダーをテンポよく投げ込み、走者を背負いながらも要所を締め、強打の近大新宮を8回6安打2失点の好投だった。
 3安打4打点の大活躍だった上田航毅選手(3年)は「打った瞬間入ったと分かりました。甲子園まであと2つ。油断せずに勝つことだけを考えて頑張りたい」と気を引き締め直した。

 ◇準々決勝
和歌山北
  0010211216
  10400117
南部龍神
  (7回コールド)

 南部龍神は初回、先頭の駒宮の左前打と四球で無死一、二塁から上村が左中間へ適時打を放って先制。同点に追いつかれた直後の3回には、連続四球と内野安打で無死満塁から2連続押し出しと増田の三ゴロ野選、駒宮の犠飛で4得点し勝ち越しに成功した。6回に11得点を許したものの、その裏には亀岩の適時打を含む4連打、7回にも2死一、三塁から亀岩が左前へ意地の適時打を放つなど最後まであきらめない打撃を見せた。

 先発のエース山本はキレのある速球と変化球で5回まで3失点と好投していたが、全試合一人で投げ抜いてきて疲れもあって6回に3四死球と7安打、失策もあり11失点。7回も2失点と力尽きたが、最後まで投げ切った。

 上村主将は「もっと高みを目指していたので悔しい。村の応援を力に変えて大会に臨め、箕島を倒したときは、たくさんの人から『感動した』と言ってもらえてうれしかった。新入生が入って、来年は今年以上の成績を残してほしい」と話した。