連日のようにニュースで「危険な暑さ」が報じられているが、今月23日は「大暑」。一年中で最も暑い日とされる。二十四節気の「大暑」はこの日から8月7日までの2週間。文字を見ただけで暑さが増しそうだ◆三十年以上前の京都で過ごした学生時代、下宿していた学生アパートにエアコンはなかった。扇風機を買うようにと数千円の仕送りを受けたが映画代と本代に消え、プラスチックの下敷きをうちわ代わりにして夏を過ごした。今ではとてもそんなことはできないだろう◆二酸化炭素の排出量削減を掲げた京都議定書が批准されたのは1997年。当時と比べても、地球温暖化の実感度は格段に上がっている。先日の報道系バラエティ番組で各国の地球温暖化への関心の推移を示すアンケート結果が紹介された。ほとんどの国で数年前より現在の方が関心が高まっているのに、日本だけ下がっていた。日々、新たな問題が際限なく浮上し続ける現代社会、危険性が報じられて久しい「地球温暖化」については相対的に関心が薄れてくるのも仕方ないかもしれないが、関心を持つ人が少なくなればなるほど、何らかの有効な解決策を見いだせる可能性は低くなる◆恐ろしいほどの暑さに直面し、個々に熱中症への対策を講じるのは必要なことだが、地球の高まる熱によって台風の大型化など天災のもたらす被害が甚大になりつつあることを思うと、素早い水分・塩分補給や体の冷却のように即効性のある地球救護法が存在しないことに空恐ろしさを覚える。せめて一人でも多くの人が、正しい情報を得るために関心を持つことを、地球は必要としている。(里)