和歌山南陵は8回、4番上田がダメ押しの右越えソロ

 第105回全国高校野球選手権和歌山大会10日目の21日、第1試合の3回戦にシード和歌山南陵が登場。和歌山工を5―2で下し、2年連続3回目のベスト8進出を決めた。引き締まった好ゲームとなったが、南陵は2本塁打を含む勝負強い打撃と小技も冴え、欲しいところで着実に加点。先発片岡は好守にも助けられてしり上がりに調子を上げ、9安打を浴びながらも粘りの完投で接戦をものにした。

和歌山工
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20000111× 5
和歌山南陵

 南陵は初回、四球と犠打で1死二塁とし、松谷が高めの変化球を完璧にとらえ、右翼に目の覚める一発を放り込んで2点を先制した。同点で迎えた6回は、四球、犠打で1死二塁の好機に、好投を続ける片岡がうまく左前へはじき返し、自らのバットで勝ち越しに成功。7回には先頭の作が左中間へ二塁打、犠打で1死3塁とし、高田がきっちりとスクイズを決めて貴重な追加点。8回には主砲上田が逆方向の右翼へソロアーチをかけ、試合を決めた。

 先発のエース片岡は3回に3安打を浴びて同点を許したものの、9奪三振の完投。序盤から毎回のように走者を背負いながらも、130㌔台のキレのある速球とスライダーをコントロールよく投げ込み、要所で三振を奪う見事な投球を披露。4回には2死二塁から左前打を左翼の上田が好返球で本塁封殺。8回には2死二、三塁のピンチも遊ゴロに打ち取り、内野陣も無失策、鉄壁の守りで投手を盛り立てた。

 投打に活躍の片岡雅天投手(3年)は「先制点を取ってくれて楽になり、バックを信じて気持ち良く投げられた。次も自分を信じ、仲間を信じ、高校のみんなを喜ばせられるように頑張りたい」と話した。