県内各地に大きな被害をもたらした大雨から約2週間がたち、日高地方でも被害状況の確認が進み、復旧作業が続く中、防災力や災害対応力の強化が求められている。
今回、日高地方では人的被害はなかったが、急激な水位の上昇で避難できず、多くの人が消防へ救助を要請した。日高広域では由良町3件、日高町4件、美浜町1件、印南町2件合わせて10件の出動があり、34人を救助、12人を誘導。ロープを張ったり避難者を背負ったり、美浜町の和田(入山)や日高町の小中、印南町の印南と羽六では自宅や店舗から、御坊市でも湯川町丸山の民家で1世帯2人がボートで助け出された。
話は変わるが、県内の消防隊員が訓練の成果を競う第51回県消防救助技術会があり、ほふく救出の部で御坊市のチーム、ロープブリッジ渡過の部で日高広域の隊員が優勝。全国大会出場を決めた。ほふく救出は3人1組で、1人が空気呼吸器を着装して長さ8㍍の煙道内を検索し、要救助者を屋外に救出した後、2人で安全地点まで搬送。ロープブリッジ渡過は水平に展張されたロープ20㍍(往復40㍍)を往路はセイラー渡過、復路はモンキー渡過する。
毎年、各署内選考会や合同訓練を取材したり、日々の取材で立ち寄った際も熱心に取り組む姿を見たりしており、本当にあっぱれ。いずれの隊員もアドバイスやサポートの仲間、家族への感謝とともに、それぞれ御坊市は日高広域、日高広域は御坊市への賛辞を口にし、気持ちいいい取材だった。
そんな救助技術に優れた頼りになる隊員たちがいる日高地方。心強い限りな一方、救助を要請する前にできることはないか、今回の大雨を教訓に考え直す必要もある。(笑)