県内の消防隊員が訓練の成果を競う第51回県消防救助技術会(県消防長会主催)が7日、和歌山市の県消防学校で開かれ、ほふく救出の部で御坊市の泉口和輝副士長(27)、矢野嗣恩消防士(25)、内畑蒼空消防士(20)のチーム、ロープブリッジ渡過で日高広域の中村翔太消防士(24)が優勝。8月25日に札幌市で開催される全国大会出場を決めた。御坊市の隊員が優勝するのは全種目を通して初めて。日高広域の隊員がロープブリッジ渡過で優勝するのは11年ぶり6人目。
ほふく救出は3人1組で、1人が空気呼吸器を着装して長さ8㍍の煙道内を検索し、要救助者を屋外に救出した後、2人で安全地点まで搬送。ロープブリッジ渡過は水平に展張されたロープ20㍍(往復40㍍)を往路はセイラー渡過、復路はモンキー渡過する。いずれも安全確実性と所要時間を競い、1位のみ全国大会に進出。全ての作業を正確に行っての減点なしが入賞の条件となる。
ほふく救出は22チームが出場。優勝した御坊市のチームは矢野消防士が救助者、泉口副士長が補助者、内畑消防士が要救助者を務め、入賞8チーム中最速の44秒17をマークした。昨年優勝した日高広域の隊員からアドバイスをもらいながら、本番は減点がないよう集中。3人は「訓練の成果が結果につながってよかった。安全管理や技術指導の先輩、救助隊員ら皆さん、そして家族のおかげ」と感謝し、「全国でも減点がないようタイムは36秒台に。出るからには優勝を目指し、県代表として頑張りたい」と抱負を語った。
ロープブリッジ渡過は18人が出場。中村消防士は入賞16人中最速、唯一10秒台の19秒29をたたき出した。3年目の挑戦で、今年はバランスが崩れないよう気を付け、着実にベストタイムを短縮。優勝へ周囲の期待も高まるなか「いつも通りいこう」と臨み、「日高広域で久しぶりの優勝ということでうれしかったです。一人でできるものではなく、サポートしてくれた方々、アドバイスしてくれた先輩らのおかげ。その皆さんのために全国大会も頑張って、県大会より早いタイムで上位を狙いたい」と笑顔を見せていた。
このほか、日高地方からはほふく救出で御坊市の竹本兄・松本修造・内畑各消防士組、日高広域の林大記・湯川晃生各副士長・垣内大成消防士組、ロープブリッジ渡過で日高広域の石井太基、古部湧真、滝本塁貴、大江晴也、永井翔各消防士、ロープ応用登はんで御坊市の古田勝也・千道裕介各士長組、はしご登はんで日高広域の岩脇稜祐、川口慎之輔各消防士が入賞。御坊市の坂口秀紀消防長は「安全・確実・迅速をモットーにした訓練の成果が結果につながった。51回目で初の快挙。うれしい限りで、本当によくやった」、日高広域の阪口悟消防長も「昨年のほふく救出に続き、全体の底上げができている。御坊市とペアで切磋琢磨し、上位を狙えるよう訓練に励んでほしい」と話している。