6月1日から来春卒業予定の高校生を対象とした求人の受け付けが開始された。ハローワークを通して学校に出される求人で、新卒者の採用を希望する事業者向けの説明会も開かれた。公正な採用と選考についての研修もあり、適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しないため、本籍や出生地に関すること、家族の職業や健康状態、地位や学歴、住宅状況など本人に責任のないこと、本来自由であるべき思想や信条を把握しないよう面接時の質問等に配慮が必要と話していた。面接中の世間話で出がちな話題もタブーが多く、小さなまちだと、どこの家の子かすぐに分かる場合もあり、完璧に対処するのは難しく、よほどの配慮が必要だと思った。
和歌山県の昨年度の高校新卒者は8362人。年々減少傾向で、10年前の9913人より15・6%減少した。新卒者のうち毎年15~19%程度が就職を希望しており、昨年度は1276人が求職(3月末時点)。企業の求人数は2746人あり、求人倍率は2・15倍の高水準で、就職内定率は99・6%となった(ハローワークを通じた求人の取りまとめより)。
地方では、進学で他府県へ出た若者が地元に戻って就職せず、若い労働力不足が課題となっている。和歌山でも県内外の大学生や県内の高校生への県内就職の促進に取り組んでいる。9日には今年度の高校生の紀中地区応募前企業ガイダンスが行われ65社が参加する。企業にとっても10年、20年先の将来を見据えると会社を担う生え抜き社員が必要で、高校生にとっても就職は人生の大きな分岐点。このガイダンスで運命の出会いがあり、多くの新卒者がやりがいを持って働けば、地域を元気にしてくれるだろう。(陽)