自分の住むまちには何もない、とついつい口にしてしまうことがある。かといって郷土愛を持っていないわけではく、同じ国や地域の人を応援したくなるのがその証拠だと思う。昨年のサッカーワールドカップで日本を応援したときの思いも国を愛する郷土愛だろう。メジャーリーグの大谷翔平選手ら世界で活躍する日本人を誇りに思うのも同じ。格闘技界でヘビー級王者に君臨する日高川町の入田和樹選手(37)が知事を表敬訪問したとき、岸本知事が県民の誇りといっていた気持ちは筆者も同じ。高校野球でも地元校が敗れても、甲子園では県代表となったチームを応援したくなるもの。

 キャンプ人気が高まる中で、キャンプ用品のブランド「Tokyo Camp」を運営する合同会社DRiveの代表を務めているのは、美浜町出身の吉川了さんと御坊市出身の嶋大介さんの2人。ともに中学時代から陸上長距離界で優秀な成績を残し、本紙にも何度も登場した2人が、今度はインターネット販売の世界で活躍している。自分のことのようにうれしく、同じ日高地方の住民として誇りに思う。代表の一人、吉川さんに取材させてもらったが、自分たちのやっていることが楽しくて仕方がないという思いが伝わってきたのが印象に残った。

 他地域から来た多くの人は、山、川、海、食べもの、そこに住む人、ここには魅力がたくさんあると言ってくれる。長らく住んで当たり前になっている景色も人から見れば魅力ということはたくさんある。そこに無理に気づこうとしなくても、今住んでいる地域を今まで通り好きでいることが誇りを持つということだろう。郷土愛とはそういうことだと思う。(片)

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