県立医科大学は24日、乳児期(生後12カ月未満)に親と唾液接触した子どもは、学齢期(6~15歳)のアトピー性皮膚炎とアレルギー性鼻炎の発症リスクが下がる傾向にあることが明らかになったと発表した。コロナ禍で乳幼児が唾液接触する機会が減少し、子どものアレルギー疾患が増加している中、この結果は効果的な予防法開発につながる可能性があるという。
研究は和歌山県立医科大のほか兵庫医科大、獨協医科大などが共同で、石川県と栃木県の小中学生の親子3570組を対象にアンケート調査を行った。アンケートでは、「乳幼児期に食器の共用があるか」「おしゃぶりの使用では親が口に入れ洗浄しているか」などを問い、関連性を把握。分析の結果、学齢期のアトピー性皮膚炎の発症リスクは、乳幼児期に食器を共用していた場合48%低下し、親が口に入れたおしゃぶりを共用していた場合は65%低下していることが分かった。さらにおしゃぶりの共用は、アレルギー性鼻炎発症リスクが67%低下、ぜんそくとは明確な関係性は見られなかったが、発症リスク低下の可能性を推測できるとした。親の唾液が乳児に移行することで免疫が刺激され、予防につながっている可能性があるという。
一方で、虫歯の菌の感染リスクについては、初感染時期は歯が生えてくる生後19~31カ月の間に集中しており、唾液接触はその前の時期が重要だとしている。
子どものアレルギー疾患は近年、特に先進国で増加しており、原因として清潔すぎるライフスタイルの影響が挙げられている。スウェーデンでは2013年、親が口に含んだおしゃぶりを使用することで、乳幼児のアレルギー予防につながるという研究結果が発表されている。今回の発表で学齢期との関連が明らかとなり、今後の研究により小児アレルギー疾患発症予防の開発につながることが期待される。


