県は、治水安全度の向上と河川環境の整備と保全を進める「河川整備計画」の一環で、印南町内を流れる印南川水系の河川整備に着手する。計画案では、30年に1度の大雨でも安全を確保するため、護岸整備や河道掘削、3橋の架け替えなどを行う。パブリックコメントや25日に開かれた住民説明会での意見を盛り込んで計画を策定し、早ければ今年度中に事業をスタートさせる。
印南川の河川整備計画案は、水害対策として、かえる小橋を基準地点に河口までの下流約1・6㌔㍍を重点的に整備する。30年に1度の規模の大雨で発生する洪水流量(340㌧)の安全な流下を目標とする。整備の内容は▽河道の掘削・拡幅、護岸・堤防の整備▽家屋浸水が生じないよう梅の坪歩道橋、八幡橋、印南橋の3つの橋を架け替え▽高速道路高架下から約200㍍下流にある水道堰の改築――など。事業期間はおおむね20年を予定している。
現在は計画案の段階で、計画策定へ向けた住民説明会が印南町役場で開かれ、県河川課、日高振興局建設部、町建設課の各担当者、住民から各区長が出席。県の担当者が計画案の概要を説明した後、質疑応答では区長らから「橋の架け替えにより車の通行に影響は出てこないか」「河口が狭くなっている部分で、川の水があふれ出てくるのが不安なので、浚渫(しゅんせつ)を検討してほしい」などの意見があった。県は「橋の架け替え工事は事前の住民への説明をきちんと行いたい」「浚渫は国の制度などを活用しながら検討を進めていきたい」と答えた。
印南祭の川渡りが行われる河口付近についても、引き続き親水空間として保全するとした。
河川整備計画案は現在、パブリックコメントを6月9日まで受け付けている。原案は印南町役場建設課で閲覧することができる。