チャールズ国王の戴冠式が行われた今月、テーマは「英国王室」。今週は、フランスの食卓外交の大きな舞台「エリゼ宮」でのエリザベス女王への歓待ぶりを描いた一冊です。

 「エリゼ宮の食卓 その饗宴と美食外交」(西川恵著、新潮文庫)

 1718年、パリ市内に建てられた宮殿エリゼ宮。現在はフランス大統領公邸で、華やかな食卓外交が繰り広げられます。フランスが最高レベルの歓迎をもって臨んだのが、1992年に訪仏したエリザベス二世英国女王陛下でした。

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 前菜と主菜に、いずれも格付けでは最高の極上ワイン。シャンパンも「限られた人物にしか供さない」といわれるクリュッグ。このメニューは、エリゼ宮としては最高レベルのものである。(略)

 執事長のカミーユ・ダヴェーヌ氏はこう説明した。

「二十世紀初めから、フランスと英国は一貫して同盟関係にあり、自由と民主主義のために戦ってきました。第一次大戦、第二次大戦と、フランスが侵略されたときも、英国は惜しみなく支援してくれたのです。その英国の確固たる意思のバックボーンが英国王室だったことはよく知られており、英国王室にいまもってフランスが最大の敬意を払う理由もそこにあります」。 

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