参加者の話を真剣な表情で聞く岸本知事㊨

 岸本周平知事が16日、みなべ町の国民宿舎紀州路みなべでタウンミーティングを開き、地元の農業、商工業、観光などの関係者12人からまちの課題や要望を聞いた。基幹産業の梅の後継者問題や一層のPRのほか、紀州備長炭のブラッシュアップ、ウミガメ保護などの話があり、岸本知事は前向きに取り組んでいくことを約束した。

 タウンミーティングは現場の声を聞く場にしようと、今年1月9日に田辺市秋津地区でスタート。みなべ町は15回目で、日高振興局管内で初めて。梅加工業、商工会、観光協会の代表や梅の若手生産農家、移住者らが出席。小谷芳正町長や赤坂武彦県地域振興監、中井寛日高振興局長も同席した。

 梅加工業者からは「ここ2、3年は梅の収穫量が多く、梅干しの在庫がたまっている状況。消費拡大へさらに国民に梅を知ってもらう努力が必要で、県の力を貸してほしい」、梅農家からは「後継者不足で今後の梅産業がどうなるのか心配。根本的な対策を」「耕作放棄地にウバメガシを植林する取り組みに農業関係の補助が適用されないので、何とかしてほしい」など。そのほか梅染め体験や梅畑散策などで人を呼び込み、梅をPRする取り組みの紹介もあった。

 ウミガメ保護では「産卵できる砂浜が減っており、河川や漁港の工事をする場合は専門家の意見を聞いて影響が出ないように」、木炭協同組合からは「里山が年々荒廃している。紀州備長炭など特用林産物が最近置いてきぼりになっているように感じるので、もっと磨きをかけるよう協力してほしい」など。商工業者からは事業継承や後継者問題、観光関係者からは町内海岸線へのサイクリング専用道路設置の提案、障害者福祉のNPO法人からは農福連携の話があった。

 岸本知事は「目からうろこの話もいただいた。皆さんやりたい、やってくれということをどんどん言ってきてほしい。紀中、紀南に思いっきり予算をつけていきたい」と話した。

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