
昨年11月、印南町西ノ地の切目王子跡が国の指定文化財になったことを記念し、印南町は今年11月11・12日に記念イベントを開催する。コロナで3年連続中止となっていた「印南かえるのフェスティバル」と合わせて実施し、全国の切目王子が一堂に会する「切目サミット」や記念講演、6年ぶりとなる花火大会などを予定している。
切目王子の歴史は古く、創建は崇神天皇の代にさかのぼり、熊野権現が鎮座していたとされている。古事記に登場する天照大神(あまてらすおおみかみ)など5柱の神様を祀っており、熊野古道九十九王子でも格式の高い「五体王子」としても知られる。11~13世紀ごろの熊野参詣が盛んだった時代には全国にも広がりを見せ、現在は福島、神奈川、長野、愛知、高知、島根、鹿児島県に8カ所、切目神社の分社が残っている。
記念イベントでは、全国の切目神社が集まり歴史を振り返る「切目サミット」を初開催するほか、切目神社が登場する伝統芸能として島根県の「石見神楽」、愛知県の「花祭」の奉納、記念講演などが行われる。記念イベントに向け、実行委員会(委員長=平尾潔司教育長)を結成。切目王子語り部の会「うらしま会」会長の寺下鎮雄さん(78)らが副委員長となり、企画を運営する。
寺下副委員長は「このイベントが、切目王子の歴史を後世に伝えるきっかけになれば」と話している。
同時開催の印南かえるのフェスティバルは3年ぶりの開催。印南漁港で6年ぶりとなる花火大会も行われる。