
御坊市島のJA紀州不知火(しらぬい)貯蔵施設で14日、ブランド柑橘「デコポン」の後期選果がスタートした。約2カ月間低温庫でおいしさを保った果実は大阪中央青果市場に出荷される。
デコポンは濃厚な甘さとまろやかな酸味で、皮がやわらかくむきやすいのが特長。年明けから収穫が始まり、通常は2、3週間の自家貯蔵後に出荷されるが、後期デコポンは一つずつ鮮度を保持する袋に入れ、同貯蔵施設の低温庫で約2カ月間寝かせて熟成。4月中旬から5月中旬にかけて出荷される。
貯蔵して出荷を遅らせることで、ほかの柑橘が店頭に並ばないこの時期に販売でき、通常より2~3割高値で取り引きされる。JA紀州では、10年以上前から後期デコポンの出荷を行っており、庫内換気や温度・湿度の管理など、先進地の視察や試行錯誤を重ねて、おいしさを保ったままの貯蔵法を確立。高品質で市場でも高く評価されている。
今年は冬に雨が少なかったことから傷んでしまうものが少なく、さらに濃厚な味わいと下がった酸でおいしく仕上がっているという。デコポンの出荷量の3割に当たる約60㌧を後期デコポンとして出荷する。この日は、袋に入れて貯蔵されていたデコポンを選別スタッフが丁寧に箱詰めして出荷準備。初売りとなる17日には、同JA柑橘部会の役員と芝光洋組合長らが大阪中央青果市場で仲買人らに直接PRする。
同JA川辺選果場の販売担当竹山雅崇さん(39)は、「一つひとつ手作業で丁寧に選別し、品質管理を徹底しています。おいしいのでぜひ味わってみてください」と話している。
日高地方では、印南町のフレッシュマート特産品直売所で予約購入できる。