任期満了に伴う県議選が31日告示され、御坊市選挙区(定数1)は自民党元職の中村裕一氏(63)と共産党現職の楠本文郎氏(68)が立候補。4年前の前回と同じ顔ぶれで、9日の投開票まで9日間の戦いがスタートした。日高郡選挙区(定数3)は冨安民浩(75)、坂本登(76)、玄素彰人(49)の3氏が届け出を済ませ、各候補が出陣式などで力強く第一声を放った。(記事は届け出順)

 中村陣営は薗地内の事務所で出陣式を行い、支持者ら約350人(主催者発表)が集まった。天津隆後援会長は「難しい戦い。どうか皆さんの力を貸してください」とあいさつ。三浦源吾御坊市長は中村氏と高校の同級生で、「まじめで何でも熱心、政治の勉強もよくしている。中村候補には県や国との太いパイプを御坊市政に生かしてもらいたい」、鶴保庸介参議院議員は「大きな花を咲かせるため勝利を」、山本清司御坊市議会議長は「現状は五分五分、あと一歩」と激励。選対本部の芝光洋部長や森祐子女性部長もゲキを飛ばし、久美子夫人は「どうか主人を助けてやってください」と頭を下げた。

 中村氏は「4年前に負けたが、大勢の皆さまのご支援できょうの日を迎えられた。地震や人口減の克服が私の使命。物価高や年金の問題、子育て支援も大切。国の異次元の少子化対策も御坊にぴったり合う形に要望したい。市長や市議ら皆さんと相談し、二階先生、鶴保先生、世耕先生の力を借りて、岸本知事に堂々と市民のお願いを要望して実現したい。これが実現できるのは私だけ」と声を張り上げ、「どうか一緒に戦い、助けてください」と土下座で支援を訴えた。

 楠本陣営は御坊地内の選挙事務所で出発式を行い、支持者ら約100人(主催者発表)が集まった。選挙事務所の吉本眞太郎所長(74)が相手候補と比較しながら「政策や実績、行動力、人間性のどれをとっても楠本には太刀打ちできない。だから共産党だからダメ、自民党でなければお金を持ってこれないなどとデマや嘘を言い、政党選択の選挙にしようとしている」と批判。元市役所職員でくすもと文郎はげます御坊市職OB有志の会の小川周司代表(73)も市議会議員だった楠本氏との議会でのやりとりを紹介し、「楠本さんから一般質問の通告があれば、背筋が伸ばされる思いだった。真面目に考え抜いて努力する人」と述べた。

 最後に楠本候補がマイクを握り、「住民の正しい指摘に対しては議会で繰り返し取り上げてきた」と4年間を振り返り、子育て対策では「若い年代、世代に対する経済的な負担の緩和は今すぐしなければならない課題」と強調し、「子どもを2人、3人と育てる収入がないままでは、1人で我慢するという思いが働いているのではないか。子どもを育てている世代や子どもへの支援は投資すべきということを声を大にしていきたい」などと述べた。