トルコで生まれ、2歳まで過ごした日高川町小熊の熊谷穂波さん(39)が、トルコ南東部を震央として発生したトルコ・シリア大地震の義援金を募っている。

 父研二さんは1982年、仕事でトルコのイスタンブールに妻重美さんら家族を連れて赴任。合気道の師範だった研二さんは仕事の傍ら、現地で道場を開き、多くの弟子を指導するなか、穂波さんが誕生。穂波さんは2歳で帰国するまで父の弟子らトルコの人たちに大事にしてもらったこともあり、トルコを生まれ故郷として大切に思っている。その後も観光で訪れたり、趣味のアクリル画の個展を現地で開くなど交流が続いている。

 先月の地震で心を痛め、被災した人の支援になればと募金活動を開始。2011年10月に発生したトルコ東部地震の際には、寄せられた義援金が被災地に送られず、使い込まれたという話もあったことから、「信頼できる人に託し、支援が必要な人に確実に届けたい」と願い、研二さんらの協力を受け現地の合気道の弟子たちと連絡をとり、義援金で必要な物資を購入し、届けるルートを確保した。 

 穂波さんは「現地の厳しい寒さは少し和らいだものの、被災地の混乱はまだまだ続いています。日本では現地の状況を伝える報道はなくなり、忘れられていくかもしれませんが、避難生活はこの先も長く、継続した支援が必要になります。どうか、ご協力をよろしくお願いします」と呼びかけている。

 穂波さんのメッセージが添えられた募金箱は、小熊3850―1の合気道日高道場(自宅)の玄関(夜間等施錠しているときもある)に設置している。問い合わせや集金等の希望は重美さんが℡090―3625―0728で受け付けている。