
今月18日、JRのダイヤ改正で特急「くろしお」が大阪駅(うめきたエリア)に停車するようになりました。関西の交通の中心ともいえる大阪駅に停車できるようになるのは、くろしおにとって悲願。また、関西空港と京都を結ぶ特急「はるか」も同様に大阪駅に停車するように。関空からのアクセスもグンと良くなり、ビジネスに観光とさらなる経済効果も期待されています。なぜくろしお・はるかが今まで大阪駅に停車しなかったかというと、梅田貨物線という、貨物列車のために整備された線路を通っていたからで、物理的に大阪駅を避けて通っていました。しかし、貨物列車も時代の流れにより徐々に衰退。大阪駅近くにあった貨物駅も廃止され、現在は再開発がどんどん進んでいます。
…前置きが長くなってしまいましたが、時代の流れによって路線もどんどん変わっていくもの。この本はそんな全国各地の鉄道路線の変遷を地図の歴史から探って紹介していくという、鉄道雑学満載の一冊になっています。
第一章では、地図を見ていて「ここの路線は妙な曲がり方をしているな」とか、「なんで線路が途切れているんだろう」など疑問に思った箇所を深掘り。そこには民間鉄道会社の競争の歴史や戦争の影響など、さまざまな社会的背景が混ざり合っているわけで、何ともいえない奥深さを感じることができました。旧国鉄と私鉄を区別するため駅名を違う表記にするのも特徴で、旧国鉄のJRは「大阪駅」といいますが、阪急や阪神などの私鉄は「梅田駅」というのもその一つです。第二章では線名の由来や線路の戸籍・境界などの雑多な「講談」が紹介されており、第三章では著者が選んだ鉄道地図珍名所を紹介。踏切や交差についてなど、なかなかのマニアックさです。
路線図や写真も豊富で、見て読んで「なるほど」と思えることばかり。同時に好奇心もかき立てられました。(鞘)


